理系大学院生のトビタテ留学記~日本人の98%がいかないかもしれないスロベニア~

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ノルウェーの首都 オスロ

皆さんこんにちは、りょうです。

私は先週末、ノルウェーの首都オスロに行ってきました!

スロベニアでは、先週の木曜日と金曜日が祝日だったので土日も合わせて4連休を取ることができました!そこでその4連休を利用して北欧、ノルウェーに来たわけです!

ちなみに先週末の祝日は10月31日(木)が宗教改革の日、11月1日(金)が諸聖人の日と呼ばれています。諸聖人の日とは、カトリック教会の祝日の一つで全ての聖人と殉教者を記念する日とされています。またこの日は現在、死者の霊が親族を訪れる日とも考えられています。日本でいうお盆のようなものです。スロベニア人の友人もこの日に家族と一緒にお墓参りに行くといっていました。また、諸聖人の日は「Hallowmass(聖なる魂)」とも呼ばれています。さらに諸聖人の日の前夜は「Hallow eve」と呼ばれ、アイルランドケルトなど一部ではキリスト教伝来以前から精霊を祭る日であったとされています。その後時は過ぎ、19世紀にアメリカに移住した移民によってこの文化がアメリカに伝わりました。アメリカではカトリック教会の信徒が少ないこともあって諸聖人の日は定着しませんでしたが、諸聖人の日の前夜である「Hallow eve」がなまった「Halloween」は今もなお盛大に祝われています。日本でも近年、話題になっているハロウィンにこのような歴史があったと知り、とても興味を持ちました。

 さて、余談はこれくらいにしておいて今回のブログではノルウェーの首都オスロについて紹介していきたいと思います!

 ノルウェーは、正式にはノルウェー王国といい現在は、ハーラル5世を国王とする立憲政体の国です。国土の大きさは日本とほぼ同じですが人口は約500万人と日本の約1/25ほどと日本に比べると人口密度がとても低い国です。僕の住むスロベニアマリボルからノルウェーの首都オスロまでは約2000kmの距離です。ちなみに僕の住むマリボル近辺には空港がなくオーストリアのウィーン国際空港までバスで約4時間移動しなければなりません。遠くに旅行にいく前に小旅行を行います笑今回はウィーンから一度オランダを経由してオスロへと向かいました。

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1.ノルウェー王宮

 ノルウェー王宮は首都オスロにあり、現在は国王ハーラル5世とソニア王妃の住居になっています。この王宮は、19世紀にノルウェーを支配していたカール3世ヨハンの命で1825年に着工されたものです。一時、資金不足で建築が滞りましたが1848年に着工から25年という長い年月をかけて竣工しました。しかし、皮肉にも彼は王宮が完成する前の1844年に亡くなり、実際に王宮に住むことはできませんでした。現在では王宮の前に彼の騎馬像を見ることができます。

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 夏季には王宮内の見学ツアーも催され、現在も使用されている会議室や舞踏室などをみることができるそうです。また、13:30からは衛兵の交代式も行われるそうです。

 王宮を背にした通りはカール・ヨハン通りと呼ばれ、通り沿いには国会議事堂やオスロ中央駅、オスロ大学などが並ぶのでオスロを訪れた際は、是非訪れてみてください!

 

2.オスロ市庁舎

 オスロ市庁舎は、内部に市議会と行政部を含む建築です。また内部にはヨーロッパ最大の壁画や様々な絵画などが展示されているそうです。これらは、無料で見ることができるそうです。

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 建物の着工は1931年ですが第二次世界大戦の影響を受け、1950年に落成を迎えました。またこのオスロ市庁舎は、毎年12月10日にノーベル平和賞の授賞式が行われることでも有名です。また、写真にあるように建物の左右にはそれぞれ塔があります。この塔の間隔はおよそ25mですが、かつて大戦の終結を祝して小型飛行機で塔の間を飛んだ飛行士がいるそうです。

 今回は残念ながら内部を見学することはできなかったのでいつかオスロを再訪した際は内部の壁画や建築も見てみたいです!

 

3.ノーベル平和センター

 次に紹介するのはノーベル平和センターです。先程紹介した、オスロ市庁舎から程近い位置にあるノーベル平和センターは、ノルウェーが同君連合(スウェーデン=ノルウェー連合)から独立して100年後の2005年に一般公開されました。内部では、ノーベル平和賞歴代受賞者たちの功績が写真や映像で展示されています。

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 ノーベル賞は、ダイナマイトの発明者であるアルフレッド・ノーベル(1833-1896)の遺言に従って1901年に初めて授賞式が行われました。賞は物理学、科学、生理学・医学、文学、平和の5分野で顕著な功績を残した者に与えられるものです。その選考過程は非常に厳密で発表から50年間は口外されることはありません。ちなみに日本人では第61-63代内閣総理大臣である佐藤栄作、ただ一人がノーベル平和賞を受賞しています。彼は、1967年に「核を持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を提唱したことで有名です。

 ノーベルは、ダイナマイトをはじめ様々な爆薬の開発、生産で巨万の富を築きました。しかしそれらの爆薬が軍事利用され、「死の商人」と呼ばれるようになり、多くの人の命を奪っていることに疑問を持ったノーベルは次のような遺言を残しています。

「私のすべての換金可能な財は、次の方法で処理されなくてはならない。私の遺言執行者が安全な有価証券に投資し継続される基金を設立し、その毎年の利子について、前年に人類のために最大たる貢献をした人々に分配されるものとする」

 当初この遺言は周囲の人に疑われノルウェー国会がノーベル賞を承認しませんでしたが、1897年にようやくノルウェーに平和賞受賞者を選出するノルウェー・ノーベル委員会が設立されたそうです。

 現在、平和賞を除く四つの賞はノーベルの祖国であるスウェーデンの首都ストックホルムのコンサートホールで彼の命日である12月10日に毎年授賞式が行われています。なぜ、平和賞だけがノルウェーの首都オスロで授与されるのか。その理由は、スウェーデンノルウェーの歴史の中に隠されています。両国は1814年から1905年までの約90年間の間、スウェーデン=ノルウェー連合として一人の王を君主とする同君連合という形をとっていました。やがて、ノーベルの発明したダイナマイト等により強大な力を得たスウェーデンからノルウェーは独立を図りますが計画はなかなかうまくいかず、平和的解決が難しい状況にありました。そこでノーベルはこのような状況を考慮したとともに、ノルウェー国際紛争の仲裁、平和的解決に貢献できるようにと平和賞の選考、授賞場所はノルウェーにするように遺言で残しました。

 

4.ホーコン7世の像

 この像はノルウェー王宮のすぐ近くに建てられいます。ホーコン7世は、ノルウェー独立の1905年から1957年に在位したノルウェー王国の国王です。彼の在位は、まさに第一次世界大戦第二次世界大戦と期を同じくしています。

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 第二次世界大戦中の1940年、ドイツ軍がノルウェーを急襲しました。それに伴い国王は、イギリスに亡命することになりました。国王はイギリス亡命中、「All for norway」というスローガンの元、寝る間も惜しみ祖国解放に向けラジオで国民に対して語り続けたそうです。その後大戦の終了とともに「ナチスへの抵抗と祖国解放の希望」であったホーコン7世は国民たちの歓喜の中、祖国ノルウェーに帰還しました。

 また2016年には「ヒトラーに屈しなかった国王」という題で映画化され、ノルウェーで大ヒットを記録しました。実に国民の7人に1人はこの映画を鑑賞したと言われているそうです。

 

5.ムンク美術館

 最後に紹介するのはムンク美術館です。ムンク美術館はこれまで紹介した場所から少し離れた場所に位置しています。美術館内部にはノルウェー出身の画家、エドヴァルド・ムンクの作品をはじめ多数の美術品が展示されています。

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 ムンクは、19世紀から20世紀を代表する画家の一人でノルウェーでは国民的な画家として広く知られているそうです。パリやドイツでの活動の後、晩年は祖国であるノルウェーで制作に取り組んだとされています。

 ムンクと言って思い浮かべるのはやはり「叫び」だと思います。この作品は4部作(油絵、パステル画2点、テンペラ(乳化作用を持つ物質を固着材として含む絵具))となっており、ムンク美術館ではそのうち2点を見ることができます。ちなみに後の2点は一点が個人所蔵、もう一点をオスロ国立美術館が所蔵しています。しかし現在、オスロ国立美術館は建物の新築工事のため閉館しており、2020年の再オープン(予定)まで「叫び」は一般公開されないそうです。

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 ムンクは叫びを描いた経緯について以下のように述べています。

「僕は、2人の友人と散歩していた。日が沈んだ。突然空が血のように赤く染まり、僕は憂鬱な気配に襲われた。立ち止まり、欄干に寄りかかった。青黒いフィヨルドと市街の上空に、血のような、炎を吐く舌のような空が広がっていた。僕は一人不安に震えながら立ちすくんでいた。自然を貫く、ひどく大きな、終わりのない叫びを、僕はその時感じたのだ。」

ムンクは当初、この絵を「自然の叫び」というタイトルとして考えていました。この絵は中央に映る人間が叫んでいるのではなく、周囲の叫びに耳を塞ぐ人間を描いたものなのです。

 

以上、ノルウェーの首都オスロについての紹介でした。オスロには今回紹介した場所以外にもヴァイキング博物館や大聖堂などさまざまな施設、建物があります。北欧を訪れた際には是非、訪れてみてはいかがでしょうか?注意点として冬場は日没が早いため、建物内部の見学が16時で終了してしまうものも多くあるので事前にリサーチしておくと余裕をもって旅行計画を立てることができると思う

 

おまけ

 ノルウェーの通貨は、NOK(ノルウェー・クローネ)です。レートとしては、1NOK=12円ほどです。ノルウェーは、世界でも有数に物価が高い国として知られています。その一つの要因として高福祉国家であることが挙げられます。「ゆりかごから墓場まで」という言葉から分かるように生まれてから死ぬまで充実した福祉サービスを受けることができるのです。そのため税率が非常に高く、食品以外が25%、食品が15%となっています。さらに富裕税と所得税で所得の3割から5割を税金として収めなければならないため平均年収は男性で役55万円、女性で48万円と言われています。

写真の水は42NOKなので、単純計算で500円と超高級水です笑 f:id:ryo_japan_slovenia:20191107201219j:plain

 

 それでは今日はこの辺で!